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名古屋高等裁判所 昭和24年(控)1124号 判決 1950年4月11日

被告人

伊藤万三

主文

原判決を破棄する。

被告人を罰金弐千円に処する。

右罰金を完納することができないときは金弐百円を壱日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

但し本裁判確定の日から参年間右刑の執行を猶予する。

領置第一号換価代金千四百四十六円九十銭は沒收する。

理由

弁護人伊藤万次郞の論旨第二点について。

臨時物資需給調整法に基く蔬菜の統制は既に廃止せられていることは所論の通りである、しかしながらこの種の臨時の必要に基く行政上の取締に対する違反は法令の改廃に拘らず行為時の取締規定により処断せらるべきこと性質上当然であるから、原判決後右蔬菜の統制が廃止せられたとしてもそれが為め被告人の刑責には何等影響を及ぼさないものである、されば所論は理由がない。

(註、本件は量刑不当にて破棄自判)

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